りんたくんは空間の魔術師みたい。
りんちゃんの手にかかると、アトリエが車の中になり、スーパーになり、次は劇場になり、白い大きな紙の上が風呂場になり、そこを粘土の新幹線が走り去って。
目まぐるしく変わっていく空間が、なんだかサーカスの中にいるよう。
そうやって自在に感覚が開いている中で、ふいに絵がはじまっていきます。
窓から陽の光が入るように、ごく自然に。
その瞬間からもう一つの時間が動き出して、今度は絵の中で自在に遊んでいく。
絵の具と筆で大切な人のためにせっせと料理をこしらえる。
絵の中での時間をぐっと生きて、「おわり!」って言ったすぐそばから、また現実と空想のはざまを軽やかに遊ぶ姿に、空間も時間も自分で伸び縮みさせたり膨らませたりすることのできる「自由」を教わるのでした。
おくればせながら、あけましておめでとうございます。
今年初めのアトリエはオトくんでした。
お休み中会えなかった時間を取り戻すかのような、全身からのエネルギーが注がれた絵。
オトくんの呼吸にあわせて隣にいると、筆をおろす瞬間で世界は変わって、同じ時は二度となくて、自由なこころそのままでこんなにもきれいな風景が見えるんだと。
それをぎゅっと短い時間の中で即興音楽を聴いてるように感じさせてくれます。
ダウン症の人たちが見ている世界をもっともっと見てみたい。
この絵で始まったSunoiroの一年。
彼らの感性そのままが美しいことを感じられる場であるよう、制作の場を深めていきたいと思います。
本年もどうぞよろしくお願いいたします!
12月22日(木) 雨と風がそれはそれは強かった日
カズくんの今年最後のアトリエ。
「どんな1年だった?」って聞くと、「SMAP。」って。
SMAPへのあふれる愛がそのまま作品になりました。
ついでに帽子もカズくん仕様になりました。
豊かな色彩にため息がでます。
島根とのかかわり方を見つける講座、「しまコトアカデミー」にお招きいただき、
Atelier Sunoiroの活動と、東京から島根に移住するまでのことをお話しさせていただきました。
やっぱり作品を見ていただくのが一番伝わる!と思い、この8ヶ月の間アトリエでうまれた作品を急きょ5点展示させていただきました。
アトリエとしても初めて作品を見ていただく機会で、この空間にどう馴染むのだろう、どんな反応だろうとドキドキでしたが、
「はじめからここにあったような気がする」「色がきれいで気持ち良い」「かっこいい」と声を聞くことができました。
会場にカズくん、オトくん、リンタくんがいるような、和やかな雰囲気を感じました。
このような機会をいただけたことがありがたく、今日からまたダウン症の人たちが自分のリズムでいられるよう制作の場を充実させていきたい!と思いをあらたにするのでした。
お世話になった方々、どうもありがとうございました。