春のおたより - Atelier Sunoiro
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春のおたより

春のおたより

HPでは大変ご無沙汰しております。みなさんそれぞれの場所で健やかにお過ごしでしょうか。以前の投稿から1年半もたってしまい、どこからどうお伝えしたらよいかなあ、という思いで今、筆をすすめています。

2025年の4月12日でAtelier Sunoiroは10年目に入ります。当時3歳、10歳、28歳だった3人のダウン症の人たちと古民家の一角をお借りしてはじまったアトリエ。4月12日は初めてクラスをした日で、10歳のおとさんがひとりで来た日でした。 当時古い建物に興味津々のおとさんは、初めて来た広い古民家をぐるぐると歩き回って、彼のリズムを刻んでいました。紙と絵の具は準備してあって、いつ制作に向かうか、もしかしたら向かわないかもしれない、とにかくおとさんのリズムでリラックスしてこの時間やってみよう、奥底ではふるえながら、そう言い聞かせた時間を今でも思い出します。

その日おとさんは、ある瞬間に筆をはしらせました。息がつまるくらい濃密な数分間。手は迷いなく絵の具を選んで、垂れたり散ったりしながら、写真がくっきり現像されるように、こころに忠実なイメージが、厚手の白い紙にうつされました。ふたりで返り絵の具をあびて、その後は懸命に手を洗って、ソファに体をあずけておやつを食べました。ぐっと制作に入り自立とする空気と、強いのにどこかやわらかい空気。ふたつを内包する時間は、今も変わらず流れています。